【レビュー】トロピカルKISS|“なんでもないけど、これいいよ”認定。こうたろ儲が泣いて喜ぶ南国ハーレムADV

【レビュー】トロピカルKISS|“なんでもないけど、これいいよ”認定。こうたろ儲が泣いて喜ぶ南国ハーレムADV

■ 短評|Twinkle、やりました。こうたろ儲よ、祝福せよ

全国のRIO……もとい、こうたろ儲の皆様。
Twinkleはやりました。
まさか同じ年に二度も「なんでもないけど、これいいよ」認定を出すとは思わなかった。


■ シナリオ|目新しさはないのに“丁寧で飽きない”。古き良きギャルゲーの香りが蘇る

目新しさは決してない。
だが、一つ一つの物語が丁寧で、
アプローチ→関係深化→結びつき
という線がしっかり見える構成になっている。

ハーレムゲームにありがちな“飽き”を感じさせない話運び。
舞台やキャラに対しても「なるほど」と思わせる布石が散りばめられている。

どのルートもハズレなし。
ただし、最後に花火ルートを回すと締まりが良い。
おすすめは泉ルート
テンドンネタのキレも良いし、髪型イメチェンという古き良きギャルゲー演出に感動した。

● 声優ネタを“踏み込まない”惜しさ

声優ネタを効果的に使える場面があるのに、踏み込まない。
非常にもったいない。
最近のアレに毒されすぎた自覚はあるが、それでも惜しい。

● 南国ハーレム×ご都合主義=正義

ご都合主義上等。
シナリオとエロのバランスが今年の売れ線。
パチ・スロ嫌いの人にはマイナスかもしれないが、ここは語らせてほしい。

● カジノの“みおちゃん”が最高

舞台はアロハリゾート。
アミューズメントエリアにカジノがあり、ブラックジャック台には新米ディーラーのみおちゃん

「一度勝つと勝ち続けるんだけどあの子」
「そろそろストック溜まったんじゃない」
「菜種ちゃんが台の前を通り過ぎたら崩れ落ちるわね」

ミントが台の前でぴょんぴょん跳ねて座る瞬間の喜びを思い出した。
買って良かった……本当に良かった……。


■ グラフィック|こうたろ先生“元年”にしたいほどの出来。Hシーンも大幅強化

OP映像は良い出来だが、曲が激しく残念。
キャスト全員に歌わせるOPはやめてほしい。
青葉様がいるんだから青葉様で良かったのに。

キャラデザは『大正野球娘。』などを手掛けたこうたろ先生
エロゲは二作目……いや、これを元年スタートとしたい。

Hシーンは1キャラ3シーンを死守。
ほぼ全シーンでCG切り替えあり。
今回は本当に頑張っている。

こんな素晴らしい絵師を手放した某メーカー……残念すぎる。
今のRIOは似てるけど違う。
例えるならつよきす2nd


■ ヴォイス|みる様・かわしま様・風音様の三柱。穴がない布陣

鉄壁とまでは言わないが、
みる様・かわしま様・風音様が揃っている時点で穴がない。

ただし言わせてほしい。

花火ルートでドンちゃんネタを使うなら、
大花ドンをキャスティングしろ!
かわしま様が演じているふーりんは佐本二厘であるべき!

……あ、二つだった。


■ サウンド|意外と良い。OPインストが特に光る

アロハな雰囲気のBGMが多いが、意外と聞ける。
特にOPインストはなかなかの出来。


■ システム|基本的に問題なし。音声エフェクトの違和感が数点

基本システムは問題なし。
ただし、近距離会話でこもった音声になる箇所が数点あり。

攻略時間:15時間
難易度:易


■ 総評|“こうたろ×木村ころや”の化学反応。新鮮で笑えて、最後まで楽しい

中身はよくあるハーレムゲームなのに、なぜか新鮮。
理由は二つ。

① こうたろ先生のバックボーンを最大限活かしている

アニメ・ゲームのオマージュが多いが、
最近の7号業界ネタが新鮮で刺さる。

② ライターのギャグセンスが異様に高い

「萌えろプロ野球」ネタが出た日は、目からウロコ。
ジャレコは再生計画とか言ってる場合じゃない。
これ作れ。今すぐ作れ。メール出すわ。

下ネタは下品になりがちだが、カラッと笑わせるセンスがある。
木村ころや氏、良い仕事してる。

● エンディングロールでここまで遊んだゲームは初めて

泉ルートのエンディングロールは必見。
キャラが好き勝手やるタイプはよくあるが、
ここまでイキイキしたものは珍しい。

● 総括

絵師の呪縛で終わると思っていたが、
ライターの手腕が噛み合って見事に化けた作品。

こうたろ先生の美麗CGとキャラを最大限活かした、
“良作ラインの中で一際安定した作品”

莫煩悩「なんでもないけど、これいいよ」認定(6作目)。
過去受賞作:恋cute、こんねこ、青空の見える丘、Clover Point、さくらさくら

■ 77点(クラスA)

【レビュー】杜氏の郷(とうじのさと)|“D.O.の影”を強く感じる処女作。良くも悪くも平坦で物足りない一作

【レビュー】杜氏の郷(とうじのさと)|“D.O.の影”を強く感じる処女作。良くも悪くも平坦で物足りない一作

■ シナリオ評価|田舎×酒造り×D.O.臭。平坦で起伏の少ない“マターリ系”

プレイ開始直後、タイトル画面で「あれ?」
オプションを触って「あれ?」
メーカー名を見るとハートブリング
クラキも出てくるし、どう考えてもD.O.系列の匂いがプンプンする。
実際、内容もよくあるD.O.物だった。

パッケージ絵は意味深だが、中身はまったくそんなことはない。
舞台は酒造りが盛んな田舎。
田舎と聞くとD.O.反応が出てしまう今日この頃。

シナリオはとにかく平坦
山も谷もなく、起伏がほぼゼロ。
いわゆる“マターリ系”。

ただ、萌え記号の羅列に逃げていない点は評価できる。
逆行しているというより、むしろ勝負している印象。
とはいえ、事象を時系列に並べただけのような構成で、
ライターの力量不足は否めない。

「よく出来ているけど、物足りない」
終わってみると、そんな感想が残る。


■ グラフィック評価|ムービーなし。キャラデザはまずまず

OP・EDムービーはなし。
エンディングロールのみ。
キャラデザは可もなく不可もなく、まずまずといったところ。


■ ヴォイス評価|フルボイスでレベルは高め

フルボイス仕様で、声のレベルは高い。
ここは処女作とは思えない安定感。


■ サウンド評価|音楽は並。BGMに好みのものはある

音楽は平均的。
BGMの中にはそれなりに良いものもあるが、特筆するほどではない。


■ システム評価|D.O.と同じシステムで使いやすい

基本的なADVシステムを搭載。
D.O.作品と同じシステムなので、操作性は良い。
特に不満はなし。


■ 総評|処女作にしては無難すぎる。もっと攻めてほしかった一作

情報なしでパッケージ買いした人は、やや外れ感を覚えるかもしれない。
もっと重い話だと思っていたが、実際は軽い。
パッケージ絵の意味深さに騙された気分。

全体的にD.O.の焼きまわし感が強く、処女作らしい挑戦が見えない。
出来が悪いわけではないからこそ、余計にもったいなく感じる。

好きなキャラ:なし
■ 70点

【レビュー】智代アフター ~It’s a Wonderful Life~|“幸せの形”を問う、Key最凶のアフターストーリー

【レビュー】智代アフター ~It’s a Wonderful Life~|“幸せの形”を問う、Key最凶のアフターストーリー

■ はじめに|~人生の宝物を探しに行こう~

7年目にしてようやく発売日に出たKeyの最新作。
『CLANNAD』のファンディスクであり、智代のためのアフターストーリー。

智代が嫌いな人はやらない方がいい。
余計なダメージを受けるだけだから。
やらないほうが幸せなこともある。これは本気で言いたい。

一本道で、長くても4時間ほどで一周可能(ミニゲーム除く)。


■ シナリオ|1部・2部構成。笑いと涙の“夏の思い出”が、後に地獄の伏線へ変わる

● 第一部:笑いあり涙ありの、幸せな夏

親子の情、過去の思い出、今できること──
そうしたテーマを丁寧にえぐりながら物語が進む。

笑いの部分は狙いすぎ感もあるが、しっかり笑わせてくれる。
智代とかなこの掛け合いは鉄板で、選択肢遊びも楽しい。
カナコはナイスキャラ。「人間の規格なんて、想像で飛び越せるものさ」。

鷹文&カナコのシナリオ、とものシナリオ──
どちらもラストを引き立てる伏線として非常に優秀。

朋也の前のめりっぷりも良い。
幸せな夏の思い出がここにあり、そして結末の発端もここにある。

タイピング演出は新鮮。オルゴールや雪に代わる涙腺破壊ギミック。

● だが、それが痛い

二周目に入ると、「あれが最後の幸せな夏だった」と気づき、胸が締め付けられる。

Keyは鬼だ。
アフター物は本来“幸せな後日談”を描くものだと思っていた。
だがKeyはそれを全否定する。

「これは遠い日々の想いでだ」
──この一文で嫌な予感しかしない。

智代は十分苦労してきたのに、なぜまだ鞭を打つのか。
なぜ幸せなまま終わらせてはいけないのか。
なぜ殺す必要があるのか。

アフター一日目から始まる、3年間繰り返された10日間。
その苦労と想いが重すぎる。報われなさすぎる。

朋也の「おまえがいてくれて良かった」は筋が通る。
だが感情が納得しない。
永遠の愛すら重い。狙いすぎ。よくばりすぎ。

号泣したが、それは智代があまりにもかわいそうだから
このENDを「幸せ」と他人に説かれる必要はない。
自分はこのENDを認めてはいけないと思った。

第二部は蛇足。ほんとうにありがとうございました。


■ ヴォイス|智代役は一色ヒカル。意外とハマっている

智代役は一色ヒカル。
「w」がつくのは、これまでの経歴からの所感。
だが違和感はなく、むしろ法子っぽさがあって良い。


■ グラフィック|OPは神月社。キャラデザはフミオで“同人ぽさ”が逆に良い

OPは神月社。非常に良い出来。
背景は安定、キャラデザはフミオ。
いたる絵ではないため同人ぽさが漂うが、結果的にそれが良かったと思える。


■ サウンド|Lia×麻枝×折戸×高瀬の鉄板布陣。泣かせに来ている

OP「Light colors」
ED「Life is like a Melody」
どちらもLia。
作詞・麻枝、作曲・折戸、編曲・高瀬という最強布陣。

BGMも素晴らしく、物語を完璧に彩る。

というか、Liaが歌うとこういう展開にしかならないのか?


■ システム|基本的に快適。ミニゲーム「D&T」は別枠扱い

基本システムは使いやすい。
難易度は易しい。
クリア後にレビューへ飛べるが今回は書かない。

ミニゲーム「D&T」はシミュレーション・タクティクス系。
ここでは触れない。


■ 総評|“公式同人”と思えば最高。だがENDは認められない

素晴らしい出来だった。
Key作品ではなく、どこかの同人だと思えば。

これはアナザーストーリーですよね?
公式認定の同人ですよね?
ねっ?

煉瓦のほうがまだマシなシナリオ書くよ从リ ゚д゚ノリ ボォケェェェェェェ!!!

シナリオの受け止め方は人それぞれ。
素直に泣いて笑って終われる人は大人だと思う。尊敬する。

自分は体は大人でも脳みそは子供なので割り切れない。
意図は理解できても納得できない。
駄々こねたい。
このENDで「人生は美しい」なんて思えるか。思えねーよ。

悲しみを知るから強くなれる──
そういうメッセージなのだろう。
そう思うことにした。

だが点数は飾り。
ENDを認められない以上、高得点はつけられない。

■ 70点(クラスB)

【レビュー】友達以上恋人未満|“芽衣子様のための、芽衣子様による、芽衣子様ファンクラブゲーム”という幸福

【レビュー】友達以上恋人未満|“芽衣子様のための、芽衣子様による、芽衣子様ファンクラブゲーム”という幸福

■ シナリオ評価|SNOW後日談としての完成度が高すぎる“芽衣子様ゲーム”

メビ欝が世に送り出した伝説のゲーム──SNOW
本作はその十数年後の後日談をたっぷり詰め込んだ芽衣子様ゲーム

SNOW未プレイ者はまずSNOWをやるべし。
龍神村は変わらず、さくらは大人になり、シャモンは年老い、芽衣子は変わらない。
村には春が来たのに、あの一件以来まだ春が来ていない芽衣子様のための物語。

……といっても、単なるファンディスクではなく、
しっかりと“ひとつの作品”として成立しているのがポイント。


■ グラフィック評価|OPアニメが秀逸。SNOWからのデザイン継承も安心感あり

OPアニメが素晴らしい。今期TOP3に入れたいレベル。
キャラデザはSNOWと変わらず、安心して没入できる。

成人したさくらの絵も非常に良い。
背景も丁寧で、全体的に安定したクオリティ。


■ ヴォイス評価|多少の違和感はあれど、全体的に文句なし

DC版をやっているとキャストに若干の違和感はあるが、
全体的には問題なし。
むしろ安定していて聞きやすい。


■ サウンド評価|メビ欝らしい良質BGM。OP・EDも好印象

メビ欝作品はBGMが良い。
本作も例外ではなく、OP・EDともに高品質。
有名どころを使っていないのに、しっかり耳に残る。


■ システム評価|基本は良好だが、セーブ・ロードの画像表示が遅い

セーブ&ロード、バックログなど標準装備。
ただし、セーブ画像の読み込みが遅く、待ち時間がもったいない。
ここは改善の余地あり。


■ 総評|SNOWファン必携。芽衣子様の魅力が全開の“素晴らしい”作品

素晴らしい。
この一言に尽きる。

シナリオは他キャラの後日談も丁寧にフォローされ、
エンディングも静かに感動を残す。

芽衣子様かわいいよ芽衣子様。

メビ欝の新しい方向性を感じさせる作品で、
今後もこの調子で進んでほしいと思える出来。

ルートが芽衣子様とさくらのみという点は少し惜しいが、
SNOWプレイヤーなら間違いなく楽しめる。
未プレイでもメビ欝作品として十分楽しめるはず。

■ 85点(今期TOP5入り)

好きなキャラはもちろん芽衣子様

【レビュー】ToHeart2|“ToHeartはToHeartであった”──王道学園モノの真髄を再確認する続編

【レビュー】ToHeart2|“ToHeartはToHeartであった”──王道学園モノの真髄を再確認する続編

■ シナリオ評価|焼きまわしと言われても、それを理解できるのは“好きだから”だと思う

何年ぶりなのかわからないが、あの伝説のゲーム「ToHeart」の続編。
時系列はアニメ「Remember my memories」の後と思われる。
プラットフォームはPS2だが、どうせ後でPC版が出るだろうと見越してのレビュー。

結論としては「ToHeartはToHeartであった」
これぞ王道の学園モノであり、演出・シナリオともに魅せる良質なエンターテインメント。

焼きまわしと言われるが、それを理解できるということは、
結局みんなToHeartが好きなのだと思う。
自分はとても楽しめたし、気にならなかった。

オマージュ的な小ネタも多く、おっぱい占いなど笑える要素も健在。
キャラは9人で、一人3時間ほど。総計27時間ほどのボリューム。


■ グラフィック評価|複数絵師の総力戦。Leafの人気絵師が本気を出した

複数絵師による総力戦。
これのおかげで次作の開発が遅れたと言われるほどの力の入れよう。

プレイして「これが良ければ他はどうでもいい」と思わせたら勝ち。
自分はそう思った。

偉大なるちゃん様を含むLeafの人気絵師が全力。
OP・EDのアニメーションもよく出来ている。


■ ヴォイス評価|安定のキャスト陣。吉岡チルはブラボー

全体的に安定しているが、前作から考えると有名どころが夏樹リオだけなのは少し寂しい。
しかし吉岡チルはナイスキャスト。ブラボー。


■ サウンド評価|下川直哉の本気。ED「ありがとう」は名曲

音楽に定評のあるLeaf。下川がいる時点で安心。
前作テーマ曲を劇中曲としてうまく組み込んでいる。

OPも良いが、ED「ありがとう」は名曲。
KOKIAの「ありがとう」を引きずるのはこの曲だと思う。

はじまりと終わり、告げるチャイムが、遠くで響くよー♪
下川GJ。


■ システム評価|PS2ゆえのスキップの遅さが最大の難点

基本的なADVシステム。
ただしPS2ゆえにスキップが重い。
共通ルートが長いので、スキップの遅さはストレス。

このゲームで一番改善してほしかった点。


■ 総評|由真は“慣れると味が出る”タイプ。王道を愛せる人なら確実に刺さる

由真について少し。
最初うざいキャラっているじゃないですか。
スレイヤーズでアメリアが出てきた時のような感覚。
でも慣れると味が出る。由真はそういうキャラ。

こんな文章で理解してくれた人は今日から同士。
詠美様組合へようこそ。

好きなキャラ(シナリオ)は
由真 > ルーこ > 環 > 愛佳 > 姫百合 > 隠しキャラ > このみ > 笹森

姫百合ルートはメイドロボをもっと掘り下げてほしかった。
笹森はルーツのキャラと被りすぎて観てられないのは自分の問題。

個人的にはすべてにおいてマンセー。
好きなキャラは由真。

得点は85点
初めて90点台をつけようと思ったが、PS2なので自粛。

前作が好きで王道についてこれる人なら、確実にやる価値あり。

【レビュー】ToHeart2 AnotherDays|脇役たちの逆襲が始まる。これぞ学園ラブコメの王道進化系

【レビュー】ToHeart2 AnotherDays|脇役たちの逆襲が始まる。これぞ学園ラブコメの王道進化系

■ 短評|楽しければそれでいい。恋愛特異点も真っ青な“脇役総進撃”ラブコメ

楽しければ、それでいいじゃない。
前作の脇役たちが本気を出してくる逆襲編。
恋愛特異点も真っ青なストーリーだが、これこそ学園ラブコメの王道。


■ シナリオ評価|甘酸っぱさはどこへやら。時代に合わせて進化したハイテンション学園ラブコメ

甘酸っぱさはどこへ行ったのか。
ウブでネンネなあの娘(死語)も、今回ばかりは本気。
ヲタ心にキャッチーなハイテンション・ラブコメ。

学園モノも時代に合わせて進化している。
一昔前と似ているようで、また新しい形になっているのだと感じる。

攻略対象は9ルート+ダブルルート1つで合計10人。
つまり10人が主人公を大好きになる。

前作ヒロインを-2して+6すると……
この世界で16人がこのヘタレキングの毒牙にかかった計算。
孝之も誠も目じゃない。ボコボコである。

これで勝ったと思うなよー!
そんなTH2の“もう一つの日々”。

● たまルートは発狂ものの甘やかし地獄

たまねぇ+このみの強力タッグによる、あまやかしルート。
これで主人公に殺意を覚えるなという方が無理。常考。

● Leafの世界はやっぱり心が洗われる

シルファさんルートはわかっていても萌え転がるしかない。
ちゃんるさんの脇役力、はばぁの破壊力、
よっちのかしましさに受け継がれる系譜、
まーりゃんの無法ぶり、ミルファさんのラブモンスターぶり。

そんなキャラたちを許容する世界観がとても好きだ。


■ グラフィック評価|OPは最優秀候補。渡辺明夫の仕事が光る

OPは今年の最優秀候補。
作監・渡辺明夫のアニメーター力が炸裂している。

そして我らちゃん様党員は323儲。
カワタ絵も良いが、やはりちゃん様。ふみゅーん。

街並み・学園・キャラの設定の軸がブレず、細かい描写も丁寧。
THの名に恥じないクオリティ。

ただし一枚だけ異次元を発見……。


■ ヴォイス評価|豪華絢爛・質実剛健。ミチルルートのロク役は必聴

昔のこのみと今のこのみで違和感があるかもしれないが、些細なこと。
全体的に豪華絢爛かつ質実剛健なキャスティング。

迷わずミチルルートをやるべし。
ロク役に耳を澄ませばヴァルハラが見える。

Leafゲーから始まったムーブメントなのに、
ageに最初に浚われた“あの方”が白だとしたら、
今回は黒を出してきたと言わんばかりのキャスティング。

名実ともにTH一家。


■ サウンド評価|Leafサウンドは堅実。過去曲アレンジが唸る

Leafサウンドチームは相変わらず堅実。
過去の遺産をうまく料理したアレンジに唸る。

ただし、社長が新規ボーカル曲を書いていない点と、
歌手の選択に若干の不満はある。
とはいえ、毎回変えてくるのは伝統か。


■ システム評価|洗練の一言。ユーザーライクで使いやすい

基本システム搭載。
とにかく使いやすい。
かゆいところに手が届くインターフェイスの簡易性。

アップスケーリング標準搭載、
ボイスパートの打ち切り位置指定、
そしてこのスキップの速さ。

新機軸ではないが、洗練という言葉がぴったり。

難易度:普通
攻略時間:20時間前後
今回もコンプリート絵あり。


■ 総評|主人公のモテっぷりに嫉妬しつつも、最後はみんな笑顔になるTH世界が好き

なんでこの主人公はこんなにモテるのか。
イラっとするのは正しい。
正直うらやましい。
海賊王より貴明になりたい。

アニメを挟むと主人公視点が奪われて脱落者が出るが、
自分はアニメを観ていないので問題なし。

春夏さんとしそこねた忸怩たる思いはあるが、
中身は濃いし、THシリーズらしい“みんなで笑顔”の世界がある。

それこそがLeafというメーカーの愛すべき真髄。

■ 84点(クラスA)

【レビュー】ToHeart2 XRATED|18禁化で“完全体”へ。王道学園モノの金字塔は今も健在

【レビュー】ToHeart2 XRATED|18禁化で“完全体”へ。王道学園モノの金字塔は今も健在

■ シナリオ評価|ToHeartはToHeartであった──王道学園モノの完成形

○始めに○
PS2版とほぼ同様なので、昨年末のレビューをベースに加筆修正。

何年ぶりかわからないが、あの伝説のゲーム「ToHeart」の続編。
時系列的にはアニメ「Remember my memories」の後と思われる。

結論としては「ToHeartはToHeartであった」
これぞ王道という学園モノで、演出・シナリオともに魅せる良質なエンターテインメント。

焼きまわしと言われるが、それを理解できるということは、
結局みんなToHeartが好きなのだと思う。
自分はとても楽しめたし、気にならなかった。

オマージュ的な小ネタも多く、おっぱい占いなど笑える要素も健在。
キャラは9人で、一人3時間ほど。総計27時間ほどのボリューム。

● 追加キャラ・生徒会長ルートは“らしくない”が面白い

追加キャラの生徒会長ルートは、Leafらしくない現実的なラスト。
伏線に繋がらないフラグ立ちなど違和感はあるが、
シナリオ自体は問題なく面白い。

強烈なサブキャラ(卒業する元生徒会長)も“らしくない”が、
18禁版だからこその枠の無さが逆に新鮮。

● 総括:学園モノで出来ることはすべてやり尽くした

18禁化しても遜色なく、むしろより完璧なシナリオ運びに。
珊瑚ルートはHシーン追加のため後日談後に少し追加されているが、
メイドロボとHしてもいいじゃないか。素敵だと思う。


■ グラフィック評価|複数絵師の総力戦。Leafの人気絵師が本気を出した

複数絵師による総力戦。
これのおかげで次作の開発が遅れたと言われるほどの力の入れよう。

プレイして「これが良ければ他はどうでもいい」と思わせたら勝ち。
自分はそう思った。

偉大なるちゃん様を含むLeafの人気絵師が全力。
OP・EDのアニメーションもよく出来ている。


■ ヴォイス評価|変更なし。安定のキャスト陣

キャスト変更なし。
前作から考えると有名どころが夏樹リオだけなのは少し寂しいが、
全体的に安定している。

特に吉岡チルはナイスキャスト。ブラボー。


■ サウンド評価|下川直哉の本気。ED「ありがとう」は名曲

音楽に定評のあるLeaf。下川がいる時点で安心。
前作テーマ曲を劇中曲としてうまく組み込んでいる。

OPも良いが、ED「ありがとう」は名曲。
KOKIAの「ありがとう」を引きずるのはこの曲だと思う。

はじまりと終わり、告げるチャイムが、遠くで響くよー♪
下川GJ。


■ システム評価|基本システム。オートセーブが欲しかった

基本的なADVシステム。
オートセーブが無いので、選択肢を間違えてセーブしていないと戻るのが大変。

文字サイズが大きいのも気になる。
PS2版で問題だったスキップは改善されている。


■ 総評|由真は“慣れると味が出る”タイプ。18禁化で完全体へ

由真について少し。
最初うざいキャラっているじゃないですか。
スレイヤーズのアメリアが出てきた時のような感覚。
でも慣れると味が出る。由真はそういうキャラ。

好きなキャラ(シナリオ)は
由真 > ルーこ > 環 > 愛佳 > 姫百合 > 会長 > 隠しキャラ > このみ > 笹森

姫百合ルートはメイドロボをもっと掘り下げてほしかった。
笹森はルーツのキャラと被りすぎて観てられないのは自分の問題。

Hシーン追加の満足度は
由真(後) > ルーこ(中) > 環(中) > 愛佳(中) > 姫百合(後) > 会長 > 草壁(中) > このみ(後) > 笹森(後?)

たま姉はエロい。これはガチ。

前作が好きで王道についてこれる人なら、確実にやる価値あり。
18禁化でより完璧になった金字塔。名作。

■ 88点(クラスS)

【レビュー】てこいれぷりんせす!|軽快ノリ×異世界姫モノ×電波テキストの“気軽に楽しめる”良作

【レビュー】てこいれぷりんせす!|軽快ノリ×異世界姫モノ×電波テキストの“気軽に楽しめる”良作

■ シナリオ評価|剣と魔法と姫。異世界ファンタジーの王道を軽いノリで突っ走る

いやー、やってしまいました。
プリンセスものにはめっぽう弱い柊です。

異世界ファンタジーモノにおける重要なファクターは何か?
剣・魔法・姫。
私はここに提唱したいと思います。

現代社会を生きる中○生の主人公が、何らかの力で異世界に引き込まれ、
その世界で王となる姫を手助けしていく──
簡単に言えばそんな内容のゲームです。
エンディングはぜひ自分の目で確かめてください。

シナリオはだいぶ軽いノリ。
最近で言うと「LikeLife」よりはもう少しまともなテキスト。
わからない人向けに説明するなら、電波系暴走テキスト寄りだけど、
ちゃんと軌道があり、頭が痛くならないギリギリのライン。

ネタも多く仕込まれていてニヤリとできる。
ヤンマーニとか笑った。


■ グラフィック評価|OP・ED良好。二頭身キャラの完成度が高い

OPもEDも良い出来。
二頭身キャラの完成度が高く、むしろこの人にキャラデザを任せるべきでは?と思うほど。

CGのデザインは好き嫌いが分かれそう。
ある意味、観念して楽しむタイプの絵柄。
背景は問題なし。


■ ヴォイス評価|フルボイス。主人公にも声あり

フルボイスで、主人公にも声あり。
ツッコミ役なので違和感はなく、むしろテンポが良い。

他キャストも概ね良好。


■ サウンド評価|特筆なし

特に語るべき点はなし。


■ システム評価|標準的で遊びやすい。バグなしが高評価

セーブ&ロード、バックログ、クイックセーブなど標準装備。
アイテムによる分岐があるのかないのか曖昧だが、プレイに支障はない。

セーブ欄が無駄に多いが問題なし。
バグもなく、最近バグに悩まされる作品が多かったので好印象。


■ 総評|姫モノ×エロ度高め×軽快ノリ。気分転換に最適な“良作”

FT・姫モノということで、なぜか今週これを選んでしまったわけですが──
後悔はしませんでした。
(後悔したらレビューを書かず大フリスビー大会が開催されます)

久々にエロ度高めのゲームをやった感触。
最近シナリオ重視の作品ばかりで傷食気味だったので、逆に新鮮。

ストーリーも悪くなく、キャラに多少引っかかる部分はあるものの、
ノリで突っ走れるタイプの作品。

点数を上げるとしたらキャラデザ。
絵ひとつでゲームは変わると思う。
アイテムの使い方やバリエーションももう一歩欲しかった。

とはいえ、全体としては完成された良作

好きなキャラはフランチェスカ。
得点は69点

【レビュー】タペストリー tapestry -you will meet yourself-|Lightらしさ全開の“死と向き合う物語”だが、焦点の曖昧さが惜しい

【レビュー】タペストリー tapestry -you will meet yourself-|Lightらしさ全開の“死と向き合う物語”だが、焦点の曖昧さが惜しい

■ 短評|Lightらしい作品。だが“泣けるかどうか”では語れないタイプ

Lightらしい作品。
泣けるかどうかで言えば泣けなかったし、そもそも泣かせる作品ではないと思う。


■ シナリオ評価|死生観より“キャラクターの在り方”が主題であるべきなのに、焦点がぼやける

どこかでやったことがあるような感覚──F&Cで健速じゃない方の作品を思い出す。
内容は奔放で、死生観を重く扱うように見えて、実際はそこまで踏み込んでいない。

死期が近い自分について、まず考えるべきは“自分自身”の在り方。
なのにヒロインとの付き合い方でそれを見出すという構図は、正直情けなく感じた。

逃避描写はあるが、本当に考えない人間がいるのか?
残す者と残される者の構図は最大の見せ場だが、
「何が前提なのか」が示されないため、読み手としてはもやもやする。

● 5人中4ルートで劇中死亡──“やりきる姿勢”は評価できる

昏睡状態で10ヶ月放置→復活、のような濁し演出を否定している点はすっきりしている。
「あぁ、そう来るのね」と素直に受け入れられるし、やりきる気概は感じた。

● 各ヒロインの“残せるもの”はシンプル。超展開はなし

ひかりルートの解は単純明快。
「絶対やると思った」という予想通りの展開だが、悪くはない。

ただし、全体として“ユーザーは何を見ればいいのか”が曖昧。
死を扱うなら、そこに意味を持たせないと物語の面白さが霧散してしまう。


■ グラフィック評価|RMGのOPは一目でわかる。Gユウスケの絵はLightらしい

OPはRMG製作。クレジットを見る前にわかるレベル。
Gユウスケは初プレイだが、Lightらしい絵柄で悪くない。

ひかりの“顔に手を当てる表情”だけはイーッとなるが、それ以外は良好。
キャラによってHシーンの差があるが、内容的にはまぁ許容範囲。


■ ヴォイス評価|新顔+いつもの面子。風音×青山ゆかりラインは相変わらず鉄壁

ヒロインは新しめの面子を入れつつ、いつものLight陣営。
戸沼ゆず、水霧けいとには今後も期待したい。
水霧はぜひピンク声優の道を歩んでほしい。

男性陣は特筆なし。

風音×青山ゆかりラインは相変わらずの双璧。
この二人の安定感は本当に強い。


■ サウンド評価|樋口秀樹×WHITE-LIPSの安定感。アイキャッチも良い

Lightの強みはサウンド班。
樋口秀樹とWHITE-LIPSがいる時点で安心感がある。

アイキャッチの「前向きなんて進めない~」がほんわかして良い。


■ システム評価|新malieシステムでHD対応。吹き出し表示と奥行き演出は面白い

新malieシステム採用でHD時代を感じさせる。
フルHDで滲みもなく、ワイド画面対応の吹き出し表示はリトルウィッチのFFDに近い。

奥行き演出は面白いが、ageの方が一歩上手だと思う。
エロゲは会話軸が並列になりがちなので、奥行き対応は確かに新鮮。

どうせならサラウンド対応も欲しかった。

難易度:易
攻略時間:16時間


■ 総評|システム・サウンドは高水準。シナリオは“受け手次第”で評価が割れる

システム・サウンドは非常に高得点。
キャスト・グラフィックも問題なし。
残るはシナリオ勝負だが、ここが完全に受け手次第

人生の終わりに他人に迷惑をかけずに生きるなんて無理。
主人公の配慮の方向性が違っていて、結果的に余計心配をかけるのはよくある話。

しあわせな結末ではなくても、ラストに意味を持たせないと物語は弱くなる。
展開上の死が偏重している印象で、
「なぜ死ななければならなかったのか」
その理由が欲しかった。

■ 72点(クラスB)

【レビュー】たまたま ~となりの彼女は声優のたまご~|設定を活かしきれない惜しさ全開の“門井亜矢ゲー”

【レビュー】たまたま ~となりの彼女は声優のたまご~|設定を活かしきれない惜しさ全開の“門井亜矢ゲー”

■ 短評|タイトルが長い理由を教えてくれ。そしてあえて言おう、「門井亜矢ゲーである」と

タイトルが長い理由を誰か説明してほしい。
そしてこの作品を一言でまとめるなら「門井亜矢ゲー」である。


■ シナリオ評価|声優の卵×未来が見えない大学生──この設定で“そこまで”しかやらないのか

主人公は大学を休学中で未来が見えない。
そんな主人公の隣に、声優の卵・咲が引っ越してくる。
未来の見えない学生と、夢に向かって努力する声優の卵。
この出会いが二人をどう成長させるのか──

……という展開を見たかった。
つまり違う。3行目が違う。

このゲームはそこまで踏み込まない。
とりあえず恋人になるところまでで終わる。

互いを深く理解しているわけでもないが、好きだとわかったから告白して恋人に。
その間、主人公は咲とデートしてバイトするだけ。
咲が声優として努力している描写は一切なし

主人公は恋人ができても未来は見えないまま。
声優の卵は孵りきれないまま。
でも「運命という名の偶然で出会った二人の未来は輝いて見えるでしょ?」
……と言いたげなラスト。

それならこの設定、必要なくない?

● “おいしい設定”を完全に活かしきれていない

なんでこんな美味しそうな設定を活かせないのか。
まんま『REC』でいいじゃない、咲=赤でいいじゃない。
そこをエロゲーの範疇で、豪腕・門井亜矢で描けば勝ち戦だったはず。

なぜシナリオライターはそれを理解できないのか。

声優の内情を描く、主人公の再起物語にする──
いくらでもやりようがあったのに、フォローは一切なし。

なんだかなぁ~。


■ グラフィック評価|門井亜矢のキャラデザがすべて。CGは美麗で背景も丁寧

OPあり。
このゲームの見所は門井亜矢のキャラデザに尽きる。

CGは愛らしくポップで美麗。背景も丁寧。
ただし、門井亜矢も全盛期は過ぎているし、固定ファンがどれだけ残っているかは疑問。

それだけでは売れないだろうに……と思いつつ、
柊は夫のエロゲが出たら30kまでは出す覚悟。


■ ヴォイス評価|フルボイス。青山ゆかり嬢はいるが、咲役の魅力は薄い

フルボイス。青山ゆかり嬢も参加。
しかし、咲というキャラを咲という声優が演じるという謎のタイアップ感があり、
魅力はイマイチ伝わらない。


■ サウンド評価|特筆なし

特に語るべき点はなし。


■ システム評価|基本システム。セーブ&ロード必須の古き良きADV

基本的なADVシステム。難易度は普通。

攻略対象は二人。
莉子ルートはやや難しく、16日にデートイベントを入れないことがポイント。
あとは本編内の「アヤシイメール」を参照。

久しぶりのセーブ&ロード前提ゲームで手間がかかる。
主人公の行動制限としてバイトが存在するが、これが妙な縛りで意味が薄い。

もっと活かせたはずなのに……。


■ 余談|EDロールの“最初の名前”に魂が揺れた話

ここからは独立したプチ叫び系。
このゲームには、どうしても突っ込まなければならない“何か”があった。

EDロールといえば、普通は声優やスタッフから始まる。
エロゲでも大抵そう。

しかし、このゲームはその固定概念を粉砕する。

● EDロールの最初に出てくる名前は……

Copyright 2006 BANANA shu-shu

( ゚д゚) …

(;゚ Д゚) …!?

おおおおおおいいいいいぃぃぃぃぃぃぃい。

そこまで門井亜矢なのか。単騎かよ。
笑うしかない。いや、笑うところなんだよね?

監督でも声優でも会社でも脚本家でもなく、
原画家からクレジットが始まるエロゲが今まであっただろうか。

しかもその後は普通にキャスト紹介が始まる。
貢献度という言葉が頭をよぎる。

新人メーカーが初回作で門井亜矢を起用するのは思い切りが良い。
だが、企業ならその後の展開も考えるべきだろう。

絵師で売るのは辛い。
絵師だけで潰れたメーカーも多い。
逆に絵師が良いだけに他が霞むケースもある。

必要なのはバランス

このゲーム内容と、このクレジットを見る限り、未来が見えない。
柊はそう思う。


■ 総評|設定の無駄遣いが痛い。門井亜矢の絵だけでは支えきれない惜しい作品

設定のポテンシャルは高かった。
だが活かしきれず、恋人になるまでで終わってしまう惜しさが残る。

門井亜矢のキャラデザは良い。
だがそれだけでは作品全体を支えきれない。

総合すると64点(クラスB)